.
近未来を予測する方法が種々提案されている。これらの内に 一見、前後に関係なく変動するカオス的な時系列データから近未来を予見しようとする方法が検討されている。その中の一つである動径基底関数ネットワーク(RBFN:Radial Basis Function Netwaork)を株価、気象データ、野菜価格等に適用してみた。後述するように、パラメーターを十分検討していないが、種々の事象への適用性を概観したので以下に記す。
<要約>
*時系列データがある一定値の範囲で変動する現象(気温等)は、良く予測できるようだ。
*株価のように平均値がシフトするようなデ-タは、良い予測ができない。この場合、予測に用いる時系列データを少なくすることで、平均値のシフトを小さくすると、ある程度の改善が図れる。
*一般に、予測に用いる時系列データは多い(大きい)方が良い予測が得られるが、常に成り立つ分けではない。特にデータがシフトしている場合は少ない方が良い予測が得られる。
*パラメーターについては、十分な検討ができなかったが、ベクトルの次元は、一般に多い(大きい)方が良い予測ができたが、必ずしもこれに従わなかった。
<詳細>
RBFNは下の式で表される。なお、下式はアファインプラスRBFN(APBFN)であるが、α、β共に0の場合、RBFNとなる。計算には、主に下式(APRBNF)を用いた。
文献
1)合原一幸編:カオス時系列解析の基礎と応用、 産業図書(2000) P.218
2)渡辺:小山高専紀要 40 (2006) P.101.
次のブログも参照ください。
3)動径基底関数ネットワーク(RBFN)の挙動に関する2,3の考察----その1
http://naga0001.at.webry.info/201506/article_1.html
4)動径基底関数ネットワーク(RBFN)の挙動に関する2,3の考察----その2
http://naga0001.at.webry.info/201506/article_2.html
5)株価変動予測と動径基底関数ネットワーク(RBFN/APRBFN)--その1
http://naga0001.at.webry.info/201506/article_5.html
6)株価変動予測と動径基底関数ネットワーク(RBFN/APRBFN)--その2
http://naga0001.at.webry.info/201506/article_7.html
追加
7)擬似乱数と動径基底関数ネットワーク(RBFN)の挙動に関する一考察
http://naga0001.at.webry.info/201507/article_8.html
以下、過去の時系列データのある一定期間までのデータ(予測に用いるデータ)を用いて、そのデータ以降の予測を予測し、実測値と比較した。
1.ロジスティック写像
x(t)=ax(t-1)*(1-x(t-1))を使用し、a=3.8、x(0)=0.5の写像を求めた。300ステップまでのデータでそれ以降を予測した。
301ステップ以降、322ステップまで予測が真値と一致している。
予測に用いるデータを増やしたが、予測できるステップは、それほど増えなかった。
2.月間平均気温
千葉市の月間平均気温:25及び8年間(300及び100ヶ月)の時系列データを用いて、次の月間平均気温を予想し、実測値と対比した。また、25及び8年間(300及び100ヶ月)の月別平均気温を示した。
予測値はほぼ実測値に一致した。
実測値と予測値及び25及び8年間の月別平均気温と対比して下表を得た。
予測値は時系列データ:100の方が300のより良い。
予測値は25及び8年館の月別平均気温より悪い。
3.降水量
宇都宮市の月間降水量:300ヶ月で以後の降水量を予測した。
変動のパターンは実測値に似ているが実測の降水量を予測しているとは言い難い。
4.野菜価格(東京中央卸売市場)
キウリ及びキャベツの月間平均価格を予測した。
予測値のキウリ価格変化パターンは次価格に似ているが予測には無理がある。
キャベツ価格については、予測しているとは云えまい。
5.株価(東京証券取引所終値)
①日経平均 ベクトルの次元を変えて予測した。
ベクトル次元:15
ベンクトル次元:9
予測していると云えるのだろうか。
(ベースラインあるいは平均値が変化(シフト)する時系列データは、予測には向かないようだ)
②B社 予測に用いる時系列データ数を変えて予測した。
300営業日
100営業日
予測用データを100営業日とすることで、実測値と予測値のパターンが似てきた。
予測用データを短くすることで、ベースラインあるいは平均値の変動(シフト)も小さくなっているのである。
③A社
予測しているとは云えまい。
6.乱数
マイクロソフトのエクセルに組み込まれている乱数発生器で生ずる擬似乱数に適用してみた。
全く予測できていないようだ。
<パラメーターについて>
計算では次のパラメーターが必要である。
動径基底関数の数(時系列データに比例):m、ベクトルの次元:k、基底関数(ガウシアン関数)のb
関数のbの大小による変化は、絶対値に影響を与えるようだか、パターンの変化は小さいので、仮置きではあるがb=2σ2で計算した。なお、σは、時系列データから求めた。
動径基底関数の数(時系列データに比例):mは、一般に大きければ良い予測ができるとされいるが、必ずしもこれに従わない場合があった。
ベクトルの次元:kも、一般に大きいほうが良い予測ができたが、必ずしもこれに従わない場合があった。
パラメーターを十分検討できなかったが、検討の余地がいくらでもある。
.
.
.